木材価格についてスプルースから考える。
良質材か否かの判断について人によって巾が有ると思いますのでアベレージで申し上げます。
昭和48年のニクソンショック・昭和49年のオイルショック・昭和60年のプラザ合意等の日本国にとって
経済の外部環境の大きな変化も入れて考える必要が有ります。しかし為替を入れて考えるとややこしく
なるので割愛して考えます。
小生が大学を卒業して社会人になった年が昭和54年1979年です。前の会社に勤めていた1982年の針葉樹
ヒノキ105ミリ角・等級特一等 3メーター 管柱 産地 松阪 メーカー 多賀製材所 東海木材相互市場
販売単価 M3当たり11万5000円位が最高でした。(大よそ9万円から10万5千円の巾で動いていました)
当時の広葉樹の相場は覚えていませんが1984年位にアラスカ産スプルース原木、扱い問屋名古屋、材摠木材、商社名
丸紅、等級、1印、長さ8メーター直径184センチを立方当たり11万位(石単価 3万円)で買いました。
2022年アラスカ産スプルース原木の輸出禁止の為に昨年のアラスカ産スプルース原木、名古屋相場3印の一番上が
大よそ15万円(石単価 4万円位)と聞きました。材質は1984年と2021年を比較するのが難しいので芯の出来だけで
査定します。1984年のスプルース特選原木の芯の節はおおよそ芯から100ミリで全て替わりました。
2021年のスプルース特選原木は芯の節はおおよそ芯から300ミリでも替わらないかも知れません。
あくまで推定ですが歩留まりは1984年当時65%位だと思います。2021年は多分35%位だと思います。
経費を除いて計算します。長さ8メーター 直径1メーターの原木と仮定して計算します。
8×1=8M3です。単価を1984年で計算すると8X11万=88万円 歩留り65% 88万÷0.65÷8=169,250/M3
8×1=8M3です。単価を2021年で計算すると8X15万=120万円 歩留り35% 120万÷0.35÷8=428,571/M3
上記の数字は机の上の価格です。およそ37年間でおよそ2.5倍になったのです。
最近の木材価格の高騰にびっくりしている方が多くいらっしゃると思いますが、こんな見方も有ります。