アメリカ材入荷

ウィスコンシンからの原木が届いた日

2025年4月4日。
名古屋港に、アメリカ・ウィスコンシン州から直輸入した広葉樹の原木が届いた。
空はよく晴れていた。港の空気は乾いていて、貨物ヤードの片隅に、静かに木が積まれていた。

その同じ日。
アメリカではトランプ前大統領が、再び強硬な関税政策を打ち出した。
対象は中国製品だけではなく、名指しこそ避けながらも、「自国第一」を謳ったあの言葉が戻ってきた。

偶然だろうか。
私はそうは思わなかった。

届いた原木は、トランプ氏の支持基盤であるウィスコンシン州の山で育った木だった。
その土地の人々は、工場の仕事を失い、農業の収入に苦しみ、トランプという“語気の強い希望”にすがった。
そして、今もその木々は伐られ、港に運ばれ、太平洋を越えて日本に届いている。

政治がいかに喧しくとも、木は静かに運ばれる。
国境も関税も、木には関係がない。
木は育ち、伐られ、商人の手を渡り、人々の暮らしへと溶けていく。

私はこの日、名古屋でウィスコンシンの木を降ろしながら、
不思議な因縁を感じていた。

トランプは言葉を掲げた。
私は木を下ろした。
どちらも、未来への意志である。

違うのは、
私は“怒らない”。木を叱り、育て、渡すだけだ。